2019年11月7日木曜日

5年生 ヒミツの裏庭改造プロジェクト

学校に「ヒミツの裏庭」がある。
普段は、子供たちが遊ぶことはできない、ヒミツの空間が。
今日の授業は、そこが舞台。
10月16日~11月7日の3週間限定で許可をもらい、
普段、ほとんど誰も足を踏み入れることのない
ヒミツの空間を、素敵な場所に変えてみたい。
題して「ヒミツの裏庭改造プロジェクト」。

活動のポイントは、
「場や空間の特徴を生かして活動すること」。

まずは場所選びが大切。
「ここ、木と木の間で、なんか良い感じじゃない?」
「外も見えるし、いいね!」

ポイントの二つ目は、
これまでに使ったことのある材料や道具、技を
存分に生かすこと。

材料の長さを考え、のこぎりで切っていく。

二本のケヤキの木をロープで渡したら、
何かできそうだと、
場の特徴を生かしている。

長い材料も、みんなで力を合わせて、
組み立てていく。

体を思い切り動かして、
ダイナミックにつくることが好きな5年生。

さすが! やることがダイナミック!
去年の造形遊びでの経験が、
フルに生かされている。

あっという間に、裏庭の風景が変わっていった 

テントができてきた。
このチームは、釘やビスを使わず、
ロープや紐で組み立てている。

それぞれ、自分たちの考えた方法で試行錯誤している。

大事にしたいのは、
正しい方法で、最短距離で完成・成功させることではない。
自分の経験をもとに、友達との対話を通して、
自分たちなりのやり方で、やってみること。

やって失敗して、失敗から気付き、
なんとか解決させる。
そんな、とっても回り道なプロセスの中で、
自分たちなりの価値を見つけ出すこと。

ものをつくることは、
必ずしも、先に計画や、正しくつくるマニュアルがあるわけではない。
やりながら、手当たり次第の手を尽くして、
どうにかする中で、とりあえずの「最適解」を見出すこと。

そういうスタイルの思考方法や、チャレンジ精神が、
たぶん、予測不能な未来には、必要になる。

図工の造形遊びは、そういう意味で、
これからの時代に、とっても必要な活動であると考えている。

リボンで飾り付けをし、
いよいよ完成間近。

するとそこに、
他の学校の子供たちが通りかかった。
フェンス越しに、ちょっとした会話が生まれる。

外からは、どう見えているのかな?

裏庭は、学校の外と中が隣り合わせの空間。
通りすがりの地域の方に
「何つくっているの?」と声をかけられ、説明したり、
「こんにちは」と挨拶をしたり。

そんなコミュニケーションが生まれる素敵な裏庭に
改造することができたみたい。

そして、最後はつくったスペースでのんびりして、
変身した空間を堪能していました。

いつもの裏庭は、どんなふうに変身したのでしょうか。
少しだけ紹介します。
裏庭のひみつきち

すべり台と小さな家

リボンの家


外から見える小さな小屋

生け垣のすきま基地

カラフルなハンモックハウス

NAKAJIMA House

つくったスペースは1週間程そのまま設置しておくことで、
何度も直しに来たり、過ごしに来たりしながら、
いろいろなチームのつくった空間を楽しんだ。

ひみつ基地をつくるような活動は、
子供の頃の原体験として、とっても素敵な体験だと思う。
しかし、この時代、子供たちが住む町に、
彼らがひみつ基地をつくる隙間は、どれくらいあるだろう。

空間的にも、時間的にも、
子供たちが、自ら手を加え、意味を読み替えられる
原っぱや路地や空き地のような「余白」は
むしばまれつつある。
ちゃんと守らないといけないなあと、
子供たちの生き生きとした姿を見ながら、あらためて感じた。


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