2018年1月23日火曜日

5年生 空から降ってきた冷たい材料

それは、3時間目の授業の終わりだった。
空から、白くてやわらかそうなものが、
ひらひらと舞い降りてきた。

かと思ったら、
たったの数時間の間に、町中の景色を真っ白に変えてしまった。

いつも見慣れてる学校の校庭が、
どこまでも真っ白。

この白くて冷たいものは、一体なんだ?
「空気中の水蒸気が冷やされて、氷の結晶が・・・」
というのは理科的な説明。
「路面が凍結し、交通に影響が・・・」
というのは、社会的な説明。
今日は、これをあえて名前で呼ばない。
図工的・造形的な見方で、この白くて冷たいものを、
再発見してもらいたいからだ。

「この白くて冷たいものが、今日の材料です。
何ができるか試してみよう」
この白いものは、結構重い。
そして、何より冷たい。

粘土みたいに、自由に形を変えることができる。
白いから、絵の具で色をつけることも。

まずは、みんなで力を合わせて、
近くからこの白い材料を集めてこよう。

水を加えると、固くなるらしい。

ひょっとすると、
自分たちが入れる秘密基地がつくれるかもしれない。

材料が大量にあって、
何をつくっても良いと言われると、
はじめに人がつくり始めるのは、
決まって、自分たちの住む場所。

これを「かまくら」というらしい。
でも、どうして歴史の教科書にでも出てきそうな
そんな名前がついたのかは、
以外に誰も知らない。

自分たちの「かまくら」に、
色をつけようと、
絵の具や染料を水で溶いたものを、
ペットボトルに入れて、撒き始めた。

「青は目立つね!」
「あえて、全然違う色を足したら、いいんじゃない?」
いろいろなことを試していた。

氷柱(つらら)を見つけてきてかざりつけている。

こうして、いろいろな方法で、
自分たちの「城」をつくってしまった。

こっちのかまくらも面白そうだな。
ところで一体、
潜り込んで、何をしているんだ??

私も、つくった5年生に勧められるままに、
潜り込んでみた。

すると、そこは・・・
LEDライトを使った光の世界。

2学期に経験した
光の造形遊びで使ったLEDライト。
こんなふうにも使えるんだね。

この白くて冷たいものは、「雪」という。
ときどき気まぐれに空から降ってきて、
誰も経験したことのないダイナミックな造形遊びを
可能にしてくれる。

子供はそれを直感的に知っていて、
誰に言われるでもなく、放課後や休日に、
だるまやかまくらを造形しているらしい。

でも、改めて、図工的・造形的な見方で、
出会い直してみる価値がある、魅力的な材料だと思う。