2017年12月7日木曜日

4年生 世界が あなたのパレット

さあ、4年生が思い切り絵を描く授業をしようと思います。
でも、何を描こう?
4年生は、今、何を描きたいと思うんだろう?

そうだ、今の季節は紅葉が綺麗だから、
外に出て、紅葉した木々を描いてみようかな?

ところで・・・
肌理の細かい自然の色は、なんとも言えず綺麗ですね。

きっと、これを4年生が絵に描こうと思ったら、
手持ちの12色の絵の具から
おきまりの赤や黄色や茶色をパレットに並べて、
デフォルメして描くのが精一杯かもしれない。

4年生の「感性」なら、
きっと、この名前のない色を
もっと深く感じられるはずだ。
それには、きっと絵の具で絵を描く活動では不十分ではないか。


そこで、授業が始まるやいなや、
外へ出て好きな色を見つけてきてごらん
と言うことにした。

われわれの絵の具は、自然界にある色をモデルにして人工的につくられているけれど、
残念ながら自然界の色の複雑さを超えることはできない。

自然の色の中に、人それぞれの好きな色があるはずだ。
4年生は、みなそれぞれ思い思いに
好きな色を見つけてきた。

「見てください! なんかわかんないけど、すごいんです!!」
嬉しそうに、報告してくれる子供たち。

本当にきれいなものは、たいてい言葉にすることもできないし、
色に名前をつけることもできない。
きっと、そういう色彩体験が、大事なんだろうと思う。


「ぼくたち原始人です!」と楽しそう。
集めてきた自然の色から、
世界に一つの絵の具をつくろう。

落ち葉や木の実から生まれた世界に二つとない色を、
自分でブレンドしていこう。

色とりどりの粘土を
砕いて混ぜて。


ドングリ

木の屑
自然界にある多様な色から
どんな色の絵の具ができるだろう。
どんな色ができるのかは、実はあまり重要ではない。
いろいろな色があることを感じることと、
砕いたり潰したり混ぜたりするという
自然素材に働きかけることの気持ち良さを感じてもらうことが
今回のねらい。

一言で「みどり」と言っても、一つとして同じ緑はない。

本物には、匂いがある。味がある。

4年生が絵を描く机の上
これが今日の絵の具であり、パレット。

できた絵の具で何か描いてみよう。

自然界にあるものだけで、
こんなにいろいろな色が描けるんだ。

次から次に、色や材料からイメージを広げながら、
丸4時間、絵を描き続けました。

絵の具が余ったら、拾った場所に返しに行こう。
子供たちの感性や創造力が、
自然環境と離れていかないようにと願っています。

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