さあ、4年生が思い切り絵を描く授業をしようと思います。
でも、何を描こう?
4年生は、今、何を描きたいと思うんだろう?
そうだ、今の季節は紅葉が綺麗だから、
外に出て、紅葉した木々を描いてみようかな?
ところで・・・
肌理の細かい自然の色は、なんとも言えず綺麗ですね。
きっと、これを4年生が絵に描こうと思ったら、
手持ちの12色の絵の具から
おきまりの赤や黄色や茶色をパレットに並べて、
デフォルメして描くのが精一杯かもしれない。
4年生の「感性」なら、
きっと、この名前のない色を
もっと深く感じられるはずだ。
それには、きっと絵の具で絵を描く活動では不十分ではないか。
そこで、授業が始まるやいなや、
外へ出て好きな色を見つけてきてごらん
と言うことにした。
われわれの絵の具は、自然界にある色をモデルにして人工的につくられているけれど、
残念ながら自然界の色の複雑さを超えることはできない。
自然の色の中に、人それぞれの好きな色があるはずだ。
4年生は、みなそれぞれ思い思いに
好きな色を見つけてきた。
「見てください! なんかわかんないけど、すごいんです!!」
嬉しそうに、報告してくれる子供たち。
本当にきれいなものは、たいてい言葉にすることもできないし、
色に名前をつけることもできない。
きっと、そういう色彩体験が、大事なんだろうと思う。
「ぼくたち原始人です!」と楽しそう。
集めてきた自然の色から、
世界に一つの絵の具をつくろう。
落ち葉や木の実から生まれた世界に二つとない色を、
自分でブレンドしていこう。
色とりどりの粘土を
砕いて混ぜて。
土
ドングリ
木の屑
自然界にある多様な色から
どんな色の絵の具ができるだろう。
どんな色ができるのかは、実はあまり重要ではない。
いろいろな色があることを感じることと、
砕いたり潰したり混ぜたりするという
自然素材に働きかけることの気持ち良さを感じてもらうことが
今回のねらい。
一言で「みどり」と言っても、一つとして同じ緑はない。
本物には、匂いがある。味がある。
4年生が絵を描く机の上
これが今日の絵の具であり、パレット。
できた絵の具で何か描いてみよう。
自然界にあるものだけで、
こんなにいろいろな色が描けるんだ。
次から次に、色や材料からイメージを広げながら、
丸4時間、絵を描き続けました。
絵の具が余ったら、拾った場所に返しに行こう。
子供たちの感性や創造力が、
自然環境と離れていかないようにと願っています。
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