2016年5月30日月曜日

6年生 土と水と火を囲んで

縄文人スタイルの土器づくり!

前回は、
自分で土のかたまりを砕いたり削ったりして粘土をつくり、
そのねん土から土器をつくりました。
さあ、あれから2週間。
すっかり乾いた固くなった土器。

これで土器は完成? 
「いや、まだ焼いてない!」
でも、どうして焼くの?
「もっと固くするため」
 そうだよね!
じゃあ、焼いてみよう。

果たして粘土は焼けるのか、
とにかくやってみたい!

<使ってよいもの>
七輪、マッチ、新聞紙、落ちている枝、木炭

土器を焼くと言っても
まずは火を起こさなければ何もはじまりません。
まずは、どのチームも燃えやすそうな新聞紙に火をつけ始めました。
ところが、火の勢いは長続きしません。
どうやら、新聞紙の下に木炭を入れたようです。

「おかしいな~」、「それなら!」と、
枝や新聞紙を盛りだくさんいれて火をつけてみます。
ところが、火の勢いが増すどころか、
火はすぐに消えてしまいました。

火起こしがこんなに難しいとは・・・
ほとんどの子が火起こし初体験。
それでも、何度も失敗をする中で
「そうか!炭を上に置いてみよう」
「空気が足りないんだ!もっと風を送って!」
と、チームで話しながら一つ一つ気づいていき、
どうにかして火を起こします。

早い班は10分で、遅い班はなんど50分かけて、
なんとか火を起こしました。

火の簡単な起こし方を教えることは簡単ですが、
自分たちでやって、失敗して、試行錯誤する中で、
「自分で気づいて、自分でつかむ」ことの方が、
早く火を起こすことよりも、もっと大事なことです。

炭に火が付いたら、
土器を焼き始めます。

いきなり温度を上げると割れてしまうので、
少しずつ温度を上げていきます。

火を近くでじっくり見たこと自体初めて!
「火って見ていて飽きないな~」

縄文人もきっとこんなふうに
一日火や煙の動きを眺めていたのでしょう。

いったいどのくらいの温度が土器を焼くのによい温度なのか。

それも自分たちで焼いてみて、肌で感じて、
つかむしかありません。
1000度まで測れる温度計は、ここにはないのですから。

温度が急激に上がれば、粘土は割れてしまいます。

割らないよいに、ゆっくり火に近付けていきます。

土器や陶器のことを、「焼き物」といいます。

その名の通り、
形をつくることだけではなく、
「焼く」ところが、一番面白いのです。

温度の上がった炭の色もとてもきれいです。

その時
「パーンッ!!!」という音が聞こえました。
なんと、土器が割れたのです。
「うわー!」「びっくりした!」「初めて見た!!」
みんな大騒ぎ。

粘土が割れるというのがどういうことなのか、
目で見て、音で聞いて、肌で感じる。
それも、貴重な経験だと思います。

そんなこともあるので、長袖長ズボン、軍手に防護メガネを着用。
炭バサミを使って、安全面には細心に注意を払いました。

近くから息を吹きこむ。

道具をつくって空気を送る。

班の全員で風を送る。
いろいろな方法で、火を絶やさないように必死です。

いよいよ炭の上に直接土器を入れます。

粘土の色がだんだん変わってきます。

茶色や赤色だった粘土が、
白っぽくなってきました。
 
いよいよラストスパート!
みんな火力を上げるコツをつかんできたようです。


最後は、土器が赤くなるほど熱くなりました。

 そろそろいいかな?
離れていても熱が伝わってくる。
火の温度を肌で感じながら、慎重に取り出します。 

「すごい!外に出してもまだ燃えているみたい。」
「きらきらしている!!」

火起こしに20分、焼き始めの温めに30分、火に投入して30分
だいたい80分くらいと、駆け足でしたが、
なんとか土器は焼けたでしょうか?
いい感じの色に焼きあがりましたね。

裏返すと、表面がてかてかしています。

中には割れてしまった子もいましたが、
その破片を大切そうに磨いて持ち帰っていました。
 
自分で粘土をつくり、自分で火を起こした苦労は、
手間がかかるけど、一つ一つが面白くて、発見に満ちていました。
たとえ、焼くときに割れてしまったとしても、
その「かけら」が自分の表現の結晶なのです。
 
失敗も含めて、そのすべてが「焼き物」の深さであり、楽しさです。
 
火起こしに苦戦し、十分に焼けなかった子たちが、
放課後まで残って七輪を囲みました。
土と水と火という
原始的なもののパワーを見つめ、
縄文時代のような、ゆるやかな時間が流れていました。

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