「鉛筆を小刀で削ったことある?」
ほとんどの6年生がないと答えます。
電動の鉛筆削りのある時代に、
あえて小刀を使って鉛筆を削ってもらったのには、訳があります。
鉛筆を尖らせるためには、
刃の当たる角度を変えたり、
こまめに鉛筆を回したり、
うっかり削った芯を折ってしまわないように、
力加減を調整したりします。
削り始めると、さっきまでザワザワしていた図工室がシーンとして、
刃物を使う緊張感とともに、
6年生の呼吸が深くなってきます。
鉛筆削りを使い一瞬で終わってしまうのとは、
全く違うゆっくりとした時間が流れます。
時間の流れが変わったら良いな、
いつもより、のんびりとした時間の中に、
6年生を連れて行きたいなと思いました。
いつも何気なく、見過ごしている見慣れた風景を、
今日は、再発見してもらいたい。
そして、その風景にじっくり向き合ってみよう。
ゆっくり、のんびりと、足を止めて、スケッチをしました。
自分の気になる風景って、何だろう?
6年生が一人一人、自分で決めた場所で2時間を過ごしました。
絵を描くことは、ものをよく見ること。
ものをよく見るということは、
「自分の時間」に潜り込むことだと思っています。
一人一人が、各々の場所で、
じっくり自分の時間を過ごせていたら良いなと思います。
絵を描く=上手くなければいけないという呪縛から、
風景とじっくり向き合う、ゆっくり流れる時間へ、
6年生が解放されたらと願い、
この題材を4月に選びました。
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