5年生が挑むのは「自分が座れる椅子づくり」
自重を支えるものを、自分でつくるということ。
そんなこと、できるかな?
不安そうな子供達に、次なる試練が待っています。
材料は、1400円以内で買ってください。
自分で選んで、注文書を来週の月曜日までに提出しましょう。
本当は、5年生と一緒にホームセンターの木材コーナーへ行き、
自分たちで買い物するところからしたいところですが、
それは叶わず、図工室の一角にホームセンターの木材コーナーを再現しました。
みんな真剣に材料を選びます。
計算を間違えたら、材料を手に入れられませんから、
ありとあらゆる組み合わせを考え、
自分のイメージと照らし合わせます。
A4の白紙がぎっしり埋め尽くされるくらいに、筆算を書き連ね計算する子もいました。
そうして、切実に自分が何をしたいのか、
自分が必要なものは何かを考えることになります。
さあ、自分が選んで購入した材料で椅子づくりのスタートです。
全部で6回の制作時間をどのように使うか。
そのスケジュールも自分自身で決めます。
はじめに切るか、
はじめに色塗りをするか。
それは自分次第ということです。
初めてすぐに、5年生が気がつくことがあります。
自分一人ではつくれない
ということです。
椅子という自分を支えるほどのサイズのものをつくるには、
自分一人の力でつくるのは困難なのです。
だからといって、私は最初から自分一人でつくれないとは言いません。
それは、やりながら自分で気がつくことだからです。
すると、どうするでしょう。
もちろん、近くの友達と手を貸しあうしかないわけです。
何かを創造することは、一人ではできません。
チームになって、互いに手伝わざるを得ない。
そういう状況に迫られ、
5年生は、自然に手を貸し合い、一緒につくりはじめました。
***
オーセンティックという言葉があります。
「本物の」「正当な」という意味があります。
自分で材料を買う。
自分でスケジュールを管理する。
自分だけではつくることができない、という状況に出くわす。
そういう現実的で、「本物の」状況をこちらが用意することが、
子供達を本気にさせるのだと思っています。
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