2016年6月28日火曜日

3年生 無限に広がる ゆめもよう 

「ゆめ」って何だろう?
3年生にそう聞くと、
「きれいなけしき」
「明るい光」
「ふしぎなかんじ」
「みたことのないもの」等々、
いろいろな意見が出てきました。
そんな「ゆめ」のもようを描くために、
今回は、筆は使いません。

歯ブラシ

ビー玉

ストロー

何も道具を使わず、
水の力で。

ローラーを使ってみようかな?
ローラーにいろいろな色の絵の具をつけて
 コロコロと描きます。


こちらは「水刷毛」を使って

ふだんは絵を描くのに使わないような様々な道具を使って
自分なりの「ゆめもよう」をつくりました。 

ビー玉が紙の上を転がる。
転がすのは自分だけど、
勝手に動くビー玉は、コントロールできず、
模様は偶然生まれます。

水をたっぷり使うことで、
絵の具が滲んで思わぬ模様が生まれます。

そんないろいろな道具を使う中で、
「やっぱり筆を使いたい」といって
最後に筆を選ぶ子もいます。
他の道具で描いてみて、
初めて気がつく「筆の良さ」があります。

さて、これは何で描いたでしょう? 

 



多い人は八切り画用紙10枚近く描いた
自分の「ゆめもよう」。
一週間乾かしていたものを、
改めて自分で見て、
お気に入りの模様を見つけてコレクションします。

自分が「いいな」と思う部分を切り抜いて、

色画用紙に貼り付けます。

模様の形や色から想像をふくらませて、
新しい形をつくってもいいし、

お気に入りの模様をただ標本のように並べてもいい。

一人一人の「ゆめもよう」コレクション
が並びました。

最後は、みんなで鑑賞します。

お互いに賞をあげよう。
「もようがスゴイで賞」や「色がキレイで賞」など、
自分たちで見る視点を決め、
賞として名札にシールを貼りながら鑑賞し合いました。

中には、自分でつくった色紙を切って
虫のペープサートをつくった子もいます。
それを見て、背景をつくって参加する子が現れ、
休み時間に、人形劇をつくって遊んでいました。

3年生の想像力は、とても自由で、どこまでも広がっていきます。
その力を、もっともっと引き出して、
応援できる図工の時間でありたいと思います。

2016年6月24日金曜日

5年生 見ることは 想像すること

40枚のアートカードを机に並べました。
この中に、自分の好きなアートはある??
「ぼくはなんとなく、これが好き」
自分の好きなカードを「せいの」で指差すと、
友達と同じカードだったり、
全員違うカードを選んだりします。
それぞれが、自分がそのカードを選んだ理由を話し合います。
特にみんなで話し合おうなどといったわけでもなく、
5年生は、ごく自然に話し始めます。

さあ、さらに80枚を追加して、
120枚のアートの中から、
自分が「気になる1枚」を選びました。
机の上が、さながら美術館のよう。
じっくり見て、時間をかけて1枚のカードを選びます。

そして、
「もしも、その作品の世界に入ってしまったら?」
というテーマで、作品の中の自分の姿を写真に撮りました。

この絵の中に入ったら、
自分は、きっとこう思う・・・
というように、たっぷり想像をふくらませ、
作品の中の自分を演じます。

その写真を印刷して、選んだ絵に合成すると・・・
こんな風に絵の中に入ってしまいました。

絵に合わせて大きさも自分で考え
自分なりに絵の中に入ります。

何度も写真を撮りなおし、
絵の中のいろいろな場所に入ってみて、
どんどん絵の世界を想像したら
そこからイメージしたことを絵に表します。

描き方は自由。

この授業のめあては、
絵を描くことではなく、
描くことを通して、
想像をふくらませながら「絵を見て感じること」です。

その絵の感じを、
自分なりに真似して描こうとする。

絵に登場するものやその形を真似してみる。

その絵の色を自分なりに真似してみる。
それらは、すでに絵をよく見ることです。

自分の写真を、描いた絵にも貼り付けて、
さらに絵の世界への想像をふくらませていきます。

例えば、ムンクの<叫び>は、
耳を押さえて叫んでいる登場人物は、
きっと何かとんでもなく耳にさわる
音に苦しんでいるだろうと、
まわりで自分が様々な声を上げて叫んでいます。

絵の世界から、どんどん想像を広げていくことで、
そこに新しい世界が生まれます。

120の作品から、
みんな違う作品を選ぶこと。
そして、そこから一人一人が
違った世界をイメージできること。

鑑賞することは、創造的なことなんだと思います。

2016年6月22日水曜日

4年生 つくる見る話すつくる

4年生は、木材を中心に様々な材料を組み合わせながら
自分でつくるもののアイディアを見つけ、
つくり方を考えて制作してきました。
自分のつくりたいものを、自分のつくり方でつくるので、
もちろん、一人一人違うものができます。

つくっていく中で一人の子が
釘ではなくて、ネジを使いたいと言いました。
確かに図工室の引き出しには、釘もありますが、
ネジもあります。

「どうしてネジがいいの?釘でも同じように木を止めることができるけど・・・」
と聞くと、「ネジの方が、カッコいいから!」と言います。
「どこが釘よりも格好いいの?」
「バッテンがついている。丸いところが大きい。
ロボットをつくっているから、目にしたらいいと思う」
というので、なるほど! ちゃんとモノの特徴をとらえて、
よさを生かそうとしているんだとわかったので、
使ってもらうことにしました。

すると、他の子も「ネジカッコいい!!」と、何とネジが人気に。
さらに、残り時間が5分となった時、
「時間が足りない! ネジを早く止めるにはどうしたらいいですか?」と言うので、
子供が使うのにちょうど良い簡単な電動ドライバーを手渡しました。

他にも
「とびらを開けたり閉じたりできるようにしたい」というので、
蝶番を渡しました。
ここでもドライバーが活躍します。

このように最初は使う予定のなかった道具や材料が、
子供のアイディアによって、登場することがあります。
往々にして、子供たちの発想は、こちらの想定を越えていきます。
そういう時こそ、子供たちの想像のアクセルは全開なのです。
そのタイミングで、
「こういうことがしたい!」
「こうするにはどうすればいいの?」という願いに、
応えられる道具を手渡せるのが、道具を覚える上で最もベストなタイミングです。
まさに「啐啄同時」なわけです。

さあ、制作時間が終わりました。
4年生の様々な工夫によって、姿を表した様々な作品。

そこに自分で説明書を書きました。
(自分なりに、工夫したところやがんばったところを自己評価します。)


そして、その後、みんなで鑑賞し合います。

友達のアイディアや工夫から
「いいね~」を見つけます。

友達の作品について、
みんなでたくさん話をします。

自分の作品について、
友達に一生懸命説明しています。
友達がたくさんコメントしてくれます。
(自分のアイディアは、他者評価によってさらに意味をもちます)

お互いに見合い、見せ合うことを通して、
自分が表現したことの価値は、育てられ、生まれていきます。

だから、つくることと同じくらい、
見ることは大事なことです。
自分で見る。友達に見てもらう。友達と一緒に見る。
友達に説明する。
いろいろなレベルで、見る(ふりかえる)活動を取り入れています。