「のこぎり」を使って
木材を切る。
とてもシンプルな活動ですが、
実はとても深い活動です。
木材を切るときは、
木材を動かないように押さえることからはじめます。
自分の体重を利用して木材を押さえ、
さらに、手を動かしてのこぎりを引く。
その力のバランスや、切りやすい姿勢を、
何度も切りながら、自分で探って見つけていきます。
材料と道具を扱いながら、
「身体」の使い方を、自分で見つけていくのです。
今回、使う木材は、「赤松」の垂木(たるき)です。
長さ60cm、太さは4×3cmです。
木を切ると、のこぎりを握る手や、押さえている足に、
そして、手足を通じて全身に
切る感触が伝わってきます。
それだけではなく、
4年生は、切りながら「いいにおい」「いい音」と
様々な感覚を使って、のこぎりと木の出会いを楽しんでいました。
切られた木から出る木くずの柔らかさや、
ヤスリをかけた木材の
すべすべした気持ちよさ。
「のこぎり」を使うとなると、
ついつい切ることやその技能にとらわれがちですが、
「木」という材料の特徴を様々な角度から感じる
ということが、それ以上に大切な体験だと思います。
逆にいえば、木の特徴をしっかりつかむことが、
「のこぎり」で木を切ることの出発点なのです。
そんなふうに、
時間の過ぎるのを忘れて木を切っていたら、
一本の垂木が、バラバラの部品になっていました。
さあ、次回からは、この材料を使って
大工さんになってものづくりをはじめます。
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