2019年10月11日金曜日

3年生 設計図のない ものづくり

3年生が図工室にひみつきちをつくる。
材料や用具は、これまで使ったことのあるもの。
何を使うかな??

どの子も選んだのは、2年生の頃から、
何度も使っているダンボール。

ダンボールカッターや布テープを使い、
これまでの経験を生かして
いろいろな工夫をしていた。

さらに、穴を開けて、
トイレットペーパーの芯を通すなど、
新たな材料の使い方にも
チャレンジしていた。

そして、アクリル絵の具(共同絵の具)を使って
色を塗っているチームも。

イスや机などを上手に利用することで、
高さを出したり、上に乗れるようにしたりできる。

こちらの秘密基地は、2階建。
机の下にも小さな部屋ができていた。
なんでもない机の下のスペースが、
ワクワクするスペースに変身。

「秘密基地」というような大枠のテーマだけを決め、
何を使って、どのように、どんな基地を…
という細かいところは子供たちに委ねていく
いわば「設計図のない試行錯誤による活動」を
「造形遊び」といいます。

一見すると、ごちゃごちゃしていて、
大人からすると無駄な活動のように見えますが、
子供たちにとっては一番面白い活動であるばかりか、

材料や用具の扱い方という造形的なことだけでなく、
友達と話し合って、やりたいことをみんなで決めるなど、
いろいろな学びのチャンスでもあります。

できるだけ、様々の材料や用具を生かせる
多様な造形遊びを、小学生のうちにたくさん経験させてあげたいものです。



2019年10月10日木曜日

4年生 闇の中で、包まれる光

授業の始まりに図工室を真っ暗にして
小さな明かりを囲みました。
「光がある時とない時では、世界が変わるね。」

このライトの光には
闇を照らして、見えないものを見えるようにしたり、
気持ちを明るくしてくれたりする「力」があるけど、
その力をさらにパワーアップさせる
ライトのカバーをつくろう。

材料は、光を通す透明な材料。

形を変えたり、色を重ねたりして、
どんな光になるか、試してみよう。

ベースになるのは、
これまた透明な「ラミネートフィルム」です。

カラーセロハンだけでなく、
色の種類が多いスズランテープや、
きらきら光るアルミホイル、
あえて透明ではない、画用紙を使うのも逆におもしろいかも!


ラミネートフィルムは、ラミネーターで熱を加えることで、
さらに透明度を増します!

カバーの材料ができました。

さあ、これを組み立てようか?


実際にライトにかぶせてみたり
暗くしてみたりしながら

自分なりにカバーを仕上げていきました。

今回の鑑賞場所は…
普段は入ることができない「暗室」で行いました。

工夫して飾り付けたライトの「パワー」を
改めて感じながら、じっくりと味わってもらいたい。
そのため、本当に真っ暗なところで
3〜6人程度の少人数で語りながら鑑賞しました。

初めて入る真っ暗な暗室に、みんなびっくり。
目を開けているか閉じているか、わからないような暗闇に、
ライトの光が灯った瞬間。

うわぁーー!!
と歓声が上がりました。

「図工室では、気がつかなかったけど、
〇〇さんのライト、いろんな工夫してるんだね!」

闇の中で、感覚は研ぎ澄まされ、
小さな工夫も不思議なくらい見えてきます。
光も音も遮られた
小さな小部屋の中にいる時間は、
宇宙の中にいるみたいな、
お母さんのお腹の中にいるみたいな、
不思議な感覚に包まれ、
いつまでも小さな光に見とれながら
4年生はなかなか出てきてくれませんでした。

小さな「ワンダー(驚き)」が、
子供たちの感覚世界を広がっていくといいなあと思います。

2019年10月3日木曜日

5年生 イスづくりは、制作ではなく、プロジェクト!

5年生は、イスをつくる「プロジェクト」に挑戦。
材料選び、設計図づくり、制作スケジュールから
自分で考えます。

どんなイスにするか?
どんなふうにつくるか?
どうしたらできるか?
そういう課題を、自分で考えるのはもちろん、
仲間と話し合いながら
解決していきます。

どのようなイスを、どうつくるか、
最初から決まっているのではなく、
それを考えながら、つくりながら、進んでいく活動を
「プロジェクト」と呼んでいます。
そして、つくり方も、その工程も、人それぞれ。
同じ空間でつくっていますが、
一人一人、自分の設定したゴールや道のりで、
自分でハンドルを握って進めていく。
「プロジェクト型」の授業を目指しています。

プロジェクト型題材のキーになるのは、
経験をフルに生かせる題材であること。
むしろ、自分の経験、これまでの学習をもとに、
フルスイングしてもちょっと届かない
背伸びしないといけない課題であること。

二つ目は、
釘を使う、ビスを使う、あるいは接着剤を使うとか、
色を塗るか塗らないかといった
選択が多様で、個別化しやすい内容であること。

最後に、ゆるやかに協働作業が発生する活動。
自分だけでは、難しいことを目の前に、
近くの友達と手を取り合います。もちろんお互いに。

全員が同じものを、同じように、同じペースでつくることは、
必ずしも、子供たちの想像力や技能を伸ばすことにつながりません。
一人一人が、自分のペースで自分で学ぶことを、
保障できる授業をつくりたいものです。

プロジェクトは、まだつづきます。

2019年6月15日土曜日

3年生 わたしの、アカマツさん 

今日の材料はこれ。
「アカマツ」という木材です。
たくさんの「アカマツ」の中から、
1本を選びます。
大きさ、色、木目の模様など、
同じように見える材料でも
よーく見ると、一つ一つ違います。


その中から自分が選んだ一本。
それは運命の出会い。




運命のアカマツを、
紙やすりで、ごしごし磨いてあげます。



自分の手で触れ、じっくりと磨いてあげるという行為の中で、
だんだん、「わたしのアカマツさん」という
愛着がわいてきます。

自分で選んで、はじめの10分はやすりで磨く。
そうすることで、
材料は、「それ」や「あれ」ではなく、
「きみ」とか「あなた」という大切な存在に感じられるのです。
そして、材料と仲良くなることが、ものづくりではとっても大事なことです。


今日は、いろいろな形・色の、革の切れ端で、
アカマツさんを、おしゃれに飾ります。


使うのは「げんのう」。
釘打ちをして飾り付けます。


「げんのう」の柄のどこを持つとたたきやすい?


ときどき、「ラジオペンチ」にも手伝ってもらいました。









アカマツさんが変身!


2019年6月6日木曜日

4年生 学びというクリエイティビティ

図工室に到着すると、隣の作品室から
つくり途中の作品を持ってきて、
作業台を机に置き、軍手を左手に装着する。
そして、インパクトドライバーにドリルのビットを差し込み、
コンセントをさして、木に穴を開け始める。

壁にかけられたゴーグルを、頭にかぶり、
軍手を装着し、
ベルトサンダーのコンセントを差し、
電源を入れて、垂木を削り始める。

ストローと竹ヒゴを図工室前方の引き出しから、
ペットボトルキャップを後方のケースから、
それぞれ持ってきて、車輪を作る。
ボンドと布テープと、いくつかの接着方法を、
試行錯誤している。

大きな画板を机に置き、
その上に作品を置くと、
アクリル絵の具を、カップに取って、
筆を選び、作品に色を塗る。

これらは、
同じ図工室で、同じ時間に、
同時に起こっていることです。

図工室の俯瞰図
本校の図工室では、
”図工室は「協働作業場(=workshop)」である”
という考えの下、
一人一人の制作の内容や方法、使用する道具などは、
基本的に個人の意思に委ねています。

つまり、学びのハンドルを子供に委ね、
自分の経路で、自分のペースで、
制作を進められるようにしているのです。

一人一人が自分の世界に潜り込み、
熱中して活動していますが、
その個々の活動は、全く閉じていません。

むしろ、友達との対話の中で、
発想を広げたり、知識や技を深めたりしていきます。

こういう状態を「相互主体的」と呼んでいます。
孤独でもなく、依存でもなく、
一人一人主体的な個が、
知や技を、協働的に生み出している状態です。



一人一人が、クリエイティブでいられるための
あるべき環境づくり、授業設計ということを
日々考えています。


学びというものが「創造である」と捉えたとき、
子供たちがクリエイティブであれるかどうか、
という問いは、とても重要だと思います。